細胞治療は非常に多くの可能性を秘めた最先端の治療法です。
悪い箇所を叩くことが中心の化学的な薬剤による治療とは異なり、身体が本来持つ修復機能や自己治癒力を利用することが細胞治療の大きな特徴です。
細胞治療には、血液中の免疫細胞を使用するものや、脂肪や骨髄由来の間葉系幹細胞 (MSC)を使用するものがあります。
健康なわんちゃんから組織を採取し、細胞を体外で人工的に培養・増幅させた上で、病気やけがのわんちゃんの身体に投与する治療が一般的です。
体内には、さまざまな組織に変化する細胞が存在し、この細胞は幹(かん)細胞と呼ばれます。
中でも、間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄や脂肪組織に存在する幹細胞で、骨や脂肪、軟骨、血管などに変化する能力を持ち、身体の組織を再生・構築します。
さらに、通常の細胞と異なり間葉系幹細胞(MSC)は、VEGFやTGF-β1といった生理活性物質(サイトカイン)を分泌することで、炎症を鎮めたり、免疫が異常な状況を調整し、身体を健康な状態に戻したりする効果があると考えられています。
細胞治療は新しい治療法ですが、実際の処置は手術などに比べると体への負担が少なく、多くの場合は腕の血管(一般の動物病院で採血する血管)等へ細胞の入ったお薬を点滴することで終了します。
この場合には、麻酔を使用することはありません。処置にかかる時間は、
多くの場合細胞投与前後の検査を含めて半日〜1日程度で終了します。
朝10時ごろに飼い主さまにご来院いただき、18時ごろにお迎えいただくケースが多いです。
効果を期待したい場所に細い注射などを用いて細胞を投与します。
(麻酔が必要な場合もあります)
通常の点滴と同じ様に腕の血管等へ細胞の入ったお薬を点滴します。
(麻酔を使用することはありません)
A.可能です。当院では細胞治療のほか、一般治療やセカンドオピニオンも受け付けております。
なかなか病気が良くならない等ありましたらお気軽にご相談ください。
A.当院で使用している間葉系幹細胞は、安全性試験を行っており、そこでは重篤な副作用は確認されておりません。
A.費用については、疾患によって異なるほか、対象となる動物の体重や、投与方法(点滴や局所投与)などによっても変わってきます。詳細は病院までご相談ください。
A.点滴の場合、細胞投与にかかる時間は約1時間です。局所投与で全身麻酔を行う場合は、およそ30分です。投与の前後に検査等を行いますので、半日〜1日程度お預かりさせていただきます。
A.現在行っている治療に重ねて細胞治療を行うことも可能な場合があります。
ただし、疾患・使用薬剤によっては併用できない可能性もありますので、詳細は病院までご相談ください。