開発Key Opinion Leader:中島 亘 獣医師(公益財団法人 日本小動物医療センター 消化器科科長)
イヌの慢性腸症を対象に、イヌの皮下脂肪由来間葉系幹細胞を用いた細胞治療を行っています。
慢性腸症とは、小腸や大腸の粘膜に原因不明の慢性的な炎症を引き起こし、食欲不振、嘔吐、下痢といった症状をもたらす病気で、自己免疫の異常が原因の一つとして言われています。
一般的には食事療法、抗菌薬、副腎皮質ステロイド剤による治療により症状が改善されますが、難治性の場合、こうした標準治療が奏効せず、致死的な経過を辿ることもあります。
細胞のもつ抗炎症・免疫抑制作用を利用することで、従来の治療で効果のない難治性慢性腸症の患者に対しても、腸の炎症を抑え、便の改善や食欲の回復をもたらすのではないかと期待されています。
当院は、イヌの難治性慢性腸症を対象に、ヒトの再生医療と同等の品質管理基準に基づき培養された細胞用いた細胞治療の臨床研究を行い、その効果・有効性を検証してきました。
その結果、本治療法により、約8割のイヌで慢性腸症の症状が有意に改善する事が確認できましたので、当院にて本治療法による診療を開始しました。
イヌの難治性慢性腸症を対象とした細胞治療開始のニュースリリース
慢性腸症の細胞治療にご興味がある獣医師様、また、ご紹介いただける患者様がいらっしゃいましたら是非当院までお電話いただくか、お問い合わせフォームよりご連絡下さい。
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電話番号:045-334-8680