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実際の治療例等

Disease

2020.09.29

ネコちゃんの膀胱炎って?

膀胱炎はどんな病気?

体の中でおしっこをためる役割をしている「膀胱」で、さまざまな原因によって炎症が起きる病気です。膀胱炎になると血尿や頻尿、トイレで痛そうに鳴く、トイレ以外でおしっこをしてしまうなどの症状がでます。

膀胱炎は繰り返しやすく、様子を見てしまうと尿道閉塞という命に関わる状態になってしまうことがあるため早期発見、適切な治療が大切な病気です。

排尿時に痛みを感じている膀胱炎のネコちゃん
排尿時に痛みを感じている膀胱炎のネコちゃん

原因はなに?

ネコちゃんの膀胱炎の原因は主に以下のようなものがあります。

  • 膀胱結石
  • ストレスなど生活環境由来
    (検査で原因が特定できないもの)
  • 細菌感染

膀胱炎の原因は年齢によっても異なります。

10歳以下のネコちゃんでは、「特発性膀胱炎」や、「膀胱結石」による膀胱炎が多く、じつに55-75%ものネコちゃんが特発性膀胱炎といわれています。特発性膀胱炎では、尿検査をしても細菌や結晶(結石のかけら)が見つからないにもかかわらず、血尿や頻尿といった症状がでます。まだ原因がわかっていない部分も多いですが、肥満やストレスなどが一因であると考えられています。

10歳以上のネコちゃんでは、半数以上が「細菌感染」「膀胱結石」が原因となります。多くはないですが、膀胱など尿路系の腫瘍によることもあります。

どのように診断するの?

診断は尿検査にて細菌感染があるかどうか、結石の成分が出ているかどうかなどを確認します。また結石がないか、膀胱のかたちに異常がないかなどを確認するために超音波検査やX線検査 を行います。

尿検査で確認されたストラバイト結晶
尿検査で確認されたストラバイト結晶

膀胱炎を繰り返してしまうネコちゃんでは、細菌検査や膀胱の尿路造影検査(膀胱の形状確認などができるもの)が必要になることもあります。

治療はどうやるの?

膀胱炎の原因に応じて治療を行っていきます。

細菌感染がある場合は抗生物質を投与します。膀胱炎の程度によっては消炎鎮痛剤が必要になることもあります。

結石による場合は、石の種類に応じて食事で石を溶かしたり、石を取り除く手術などを行います。

特発性膀胱炎の場合は、特異的な治療薬はなく、ストレスを取り除くことが治療のひとつとなるため、ネコちゃんの生活環境(お水を飲む場所やトイレ、生活音など)にストレスとなるところがないか詳細に問診させていただき、改善につながるアドバイスをしていきます。よくあるストレス因子としては、トイレが小さい、トイレの数が少ない、同居動物との不仲などがあります。

  • 投薬方法について
    お薬で治療を行っていく場合、一般的には飲み薬を選択しますが、お薬の投与自体がネコちゃんにとってストレスとなってしまう場合は、注射での治療を行うこともあります。また、あまりお水を飲まないネコちゃんには脱水の改善や膀胱を洗い流すために点滴治療をすることがあります。

    お薬の飲ませ方については、病院で丁寧にお伝えしますのでお気軽にご相談ください。
  • フードについて
    膀胱結石や結晶がある場合、石の種類に応じて療法食(特定の病気に対して、ミネラルなどの栄養バランスが特別に調節されているフード)をお勧めします。特発性膀胱炎ではストレスケアとなる療法食が効果的なことがあります。
    尿の状態や年齢、全身状態を考えて適切なフードを選ぶことが大切です。フードを変更する際はぜひご相談ください。

    また、ドライフードだけでなくウェットフードを与えることによって水分の摂取量が増え、おしっこの量が増えるため膀胱炎の予防につながります。
  • サプリメントについて
    療法食への切り替えがなかなか難しい、または膀胱炎を繰り返してしまうときに補助としてサプリメントを使用することがあります。サプリメントの中には、おしっこの性状(pH)を適切に保ったり、膀胱の粘膜の修復を助けるといわれているものがあります。

再発予防をしよう!

水分の摂取量を増やすこと、適正体重を保つこと、ストレスを減らすことが膀胱炎の予防につながります。特発性膀胱炎のネコちゃんは、約半数が一年以内に再発するという報告がありますので、膀胱炎を繰り返す前に出来る予防をぜひ行いましょう。

<飲水量を増やすために>
  • 水皿の数を増やす
  • ご飯とお水はとなりに置かない
    (ご飯のにおいが水にうつるのを嫌うネコちゃんがいます)
  • ウェットフードの利用
  • 好きな温度や好きなお皿を知る
    (ひげがお皿にあたらない大きさで陶器がいいといわれています)
  • 流水タイプの給水機の利用

<適正体重を管理するために>
  • ネコちゃんの体型を知る
  • 食事管理、定期的な体重測定
  • 猫じゃらしやキャットタワーを利用した運動

<ストレスを減らすために>
  • トイレを清潔に保つ
  • トイレの数はネコちゃんの数+1以上設置する
  • 隠れられる場所をつくる
  • ご飯やトイレは静かな場所にし、離れて置く

これら以外にも出来る工夫は色々あります。

当院では丁寧にお話をお伺いし、ネコちゃんの性格や生活環境を踏まえて治療、再発の予防についてご提案いたします。

ネコちゃんにやさしい病院として

当院は、「ネコちゃんにやさしい病院」として、国際的な規格であるキャットフレンドリークリニック(CFC)のゴールド認定を受けています。(詳細は「ネコの診療」ページをご覧ください(https://hospital.anicom-med.co.jp/jiyugaoka/cats))

ネコちゃんのストレスを和らげることに配慮した設備やスタッフ配置をしておりますので、ネコちゃんの快適な暮らしづくりに関して気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

当院での症例

猫 ミヌエット 3歳

頻尿や血尿を主訴にご来院されました。

腹部のエコー検査で、膀胱内に結石が見つかったため、内服薬の処方と、フードの変更を行いました。
治療開始から2週間後、症状が落ち着いたため、内服薬は終了し、フードのみを継続。約2か月後の再検査では結石が消失したため、治療終了といたしました。

その後は、定期的に尿検査やエコー検査を行っています。

治療前:膀胱内に1センチ大の結石がみとめられた。
治療後:結石が消失し、結晶が散見される程度に良化した。

猫 Mix 1歳

おしっこが出ていないようだとのことでご来院されました。エコー検査や尿検査の結果、尿路閉塞はなく、膀胱炎であると考えられたため、内服薬を処方しました。

その後、症状は落ち着き、頻尿もなくなりました。再度尿検査を行ったところ、ストルバイト結晶が確認されたため、フード変更し、食事療法を行っています。

尿検査の顕微鏡で確認されたストルバイト結晶です。

猫 スコティッシュフォールド 3歳

血尿を主訴に来院されました。尿検査やエコー検査の結果から、膀胱炎として治療を開始し、内服薬を処方しました。
1週間後、症状は落ち着き、血尿もなくなりました。
尿検査を行ったところ、ストルバイト結晶が確認されたため、フードを変更し、食事療法を行っています。

ストルバイト結晶がみられます。

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