ワンちゃんのニキビダニ症は、毛包虫症とも呼ばれ、毛穴の中に住んでいるニキビダニが過剰に増えることで顔や四肢にフケや脱毛を引き起こす皮膚病です。
実は、ニキビダニは健康なワンちゃんでも常に皮膚に存在していますが、何らかの原因でニキビダニが過剰に増えることで皮膚に症状が出始めます。
どんなワンちゃんが
なりやすいの?
健康な皮膚にも住んでいるニキビダニですが、以下のような原因があることで大量に増えてしまい、皮膚症状を引き起こします。
子犬 | 皮膚バリア機能が未発達 環境の変化 |
成犬 | 発情 妊娠 外科手術 免疫抑制剤の服用 |
老犬 | 基礎疾患(ホルモン失調など) 老化 |
どうやって診断するの?
毛検査や皮膚掻爬検査(皮膚の表面の一部を顕微鏡で見る検査)などの皮膚科検査で、ニキビダニを検出することで診断します。
しかし、一部のニキビダニは毛穴の深くにいるため検査で発見されにくく、アレルギーやその他の皮膚病と診断されてしまっていることもあります。なかなか診断がつかない場合には皮膚生検(皮膚の一部を切り取る検査)が必要となることがあります。
また、特に高齢のワンちゃんのニキビダニ症では、ホルモン疾患などの基礎疾患がないか診断していきます。
治療はどうやるの?
一般的には、ニキビダニの駆虫薬を使用して治療を行います。
ニキビダニ症の駆虫薬は、注射によるものや経口投与(お薬を口から飲ませること)するものがあります。
近年、経口薬でニキビダニ症に有効性があり、効果や安全性が高い駆虫薬が広く販売されるようになってきており、こちらを使用する機会が増えてきています。
また、シャンプー療法で毛穴の洗浄を行ったり、細菌感染が併発している場合には、抗菌薬を使用します。