水頭症

水頭症とは

脳の周りや脳室(脳の中の空洞)には、脳脊髄液と呼ばれる体液が貯留し、クッションのような役割をして脳を守っています。水頭症とは、この髄液が頭蓋内に過剰にたまり、脳が圧迫を受けて様々な症状が出る病気です。

原因には先天性のものと後天性のものがあり、先天性のものはまだよくわかっていませんが、後天性のものは、脳の損傷や脳内出血、脳炎、脳腫瘍などが原因で発症します。

主訴

生後2か月齢の時に、背弯姿勢(背中を丸める姿勢)で頭部を振るという仕草がみられ、先天性の水頭症が疑われました。

診断

一般的な身体検査、血液検査、神経学的検査等の後、水頭症の症状があるかどうかを確認するため、CTおよびMRI検査を実施しました。結果として、脳脊髄液は過剰に溜まっておらず、脳への圧迫もなく水頭症ではないことが確認できました。

頭部横向きのCT撮影動画
頭部正面からのMRI撮影動画

本症例の場合、脳室(図の黄矢印)には脳脊髄液の過度な貯留はありません

ただし、他の部位(図の桃色矢印)にわずかな病変が見られ、感染性脳炎や低血糖脳症の可能性があることが分かりました。 現在は症状が落ち着いてきているため、経過観察しながら必要に応じて検査・治療を行っていきます

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