【レポート】脊髄梗塞疑いのリハビリテーション
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本日のリハビリレポートは、椎間板ヘルニア手術後ではなく脊髄梗塞疑いの症例に対するリハビリテーションをレポートします!
*脊髄梗塞とは*
脊髄梗塞は、椎間板ヘルニアと同様に急激な四肢のふらつきや麻痺といった症状を現すことがあります。人で言う脳梗塞の様に脊髄に酸素や栄養を送り込む血管に血栓などによる閉塞が起こり、そこから下流の神経が障害を受ける病気です。わんちゃんでは病変から上流の血管から下流に向けてバイパスが構築されることにより血流が回復し麻痺やふらつきが良化します。
本日のレポートは6歳10か月のミニチュア・シュナウザーの男の子『ナイト』くんです!
【診療履歴】
2016年12月8日から左前肢後肢麻痺の症状があらわれ、同17日に当院に来院されました。
神経検査により左半身の麻痺が認められ、CTおよびMRI検査を行いました。
特異所見は見られなかったため脊髄梗塞や肉芽腫性髄膜脳炎(GME)の可能性を説明し、経過により治療方針を決めていきました。
その後の経過観察で徐々に症状が改善していましたが、左前肢のナックリングなどの後遺症が残ったため今年の7月からリハビリを開始しました。
2017.9.3(日)
今回は5回目のリハビリの内容をレポートします!
この日のリハビリは『レーザー照射・ホットパック・関節可動域訓練(ROM)・屈伸(四肢)・三点起立・座位保持・バランスディスク・バランスボール・水中トレッドミル』を行いました。
バランスボールは前回から開始していますが、今回は前回よりも長時間頑張ってくれました!
水中リハビリも前回と比べて歩様が良くなっていたため、負荷を少し大きくして行いました。負荷を上げると動きが少しぎこちなくはなりますが、しっかりと負重がかけられるようになりました。
リハビリを始めてから2か月が経過していますが、ご家族の方からは以前より左前肢を使うようになっているそうです!
以上、今回はいつもと違った症例のリハビリを紹介させていただきました!
愛甲石田動物病院