歩けなかったワンちゃんが歩けるように(椎間板ヘルニア)⁉
アニコム愛甲石田どうぶつ病院は、椎間板ヘルニアに対して最新の医療器具を備え、その子にとって最高の診断及び治療法を提示させていただいております。
概要
椎間板ヘルニアは、背骨と背骨のクッションの役割をしている椎間板が、何らかの原因で背骨の中の神経を圧迫することで、痛みや麻痺を引き起こす病気です。
その結果、腰の痛みから後ろ足の麻痺まで様々な症状を引き起こします。
好発犬種はダックスフンドをはじめ、ビーグル、マルチーズ、シー・ズー、プードル、コッカー・スパニエル、アイリッシュ・セッターなどが知られており、特に女の子のワンちゃんで発症が多いことが報告されています。
当院での治療例
当院で再生医療を行った子になります。
投与前の状況です。後ろ足が全く力が入らず、引きずって移動しています。
この子は他院で椎間板ヘルニアの外科手術をしたにもかかわらず歩行の改善が認められませんでした。
神経機能が回復することに期待して幹細胞投与とリハビリ療法を行いました。
幹細胞投与とリハビリ療法を3回行った後です。
後ろ足を利用して走ることまで可能になり、自分でトイレにも行けるようになりました。
原因
遺伝的に椎間板の柔軟性が欠けているため、段差の上り下りやジャンプなど、腰に急激な負荷がかかることで椎間板が飛び出すことで発症したり、加齢により椎間板が分厚く肥厚していくことで徐々に発症したりします。
グレード分類
椎間板ヘルニアは症状の重さによって5つのグレードに分けることができます。
グレードにより治療方針や改善率に差が出てくるため、グレードを把握してあげることはとても大切なことになります。
場合によっては、グレードが突然進行することがあるため、治療をおこなっている最中でもグレードの進行に注意してあげることが重要になります。
グレード1
椎間板ヘルニアの中で一番軽度な症状で、神経の機能は正常で痛みのみが存在している状態です。
抱き上げた時に「キャン」と鳴いたり、登り降りの運動を嫌がったりなど、背中を痛がるような症状がでます。
グレード2
ふらついたり足先を擦って歩いたりなど軽度の神経症状は認められるものの、4本の足で歩行出来ている状態です。
グレード3
グレード3以上は重度に分類され、麻痺を伴います。
後ろ足もしくは前後4本の足を自分の意志で動かすことができず、歩くことができなかったり、後ろ足を引きずって前足だけで歩いている状態です。
グレード4
グレード3からさらに症状が進行し、自分の意志で排尿ができなくなります。
多少感覚は残っているため、強い痛み刺激などには反応します。
グレード5
椎間板ヘルニアで最も重い状態とされます。
麻痺した肢で痛みを感じることができなくなり、足先の骨をペンチのようなものでつまんでも表情の変化すら認められません。
回復率が著しく低い状態であるため、このような状態になる前に適切な診断・治療を行うことが望まれます。
グレード5に進行してしまった場合、時間とともに神経へのダメージも深刻になっていくため出来るだけ早期に外科手術を行うことも勧められます。
グレードと治療について
椎間板ヘルニアの主な治療法は、安静、内科治療(炎症を抑える薬の投与)外科手術などです。
症状のグレードや全身状態によって治療方法が選択され、症状の改善を待ちます。
グレード2までは、内科療法に比べて外科療法は数%程度改善率が高い程度です。
グレード5になると、内科療法だけでの改善率はぐっと落ち込み、早期に外科手術を行うことが推奨されています。
当院では最新のCTとMRIを備えており、椎間板ヘルニアの診断から外科手術まで一貫した治療が可能になっております。
しかしながら、外科手術ができない、薬をあまり使えない、再発を繰り返してしまうなど、このような時には、新たな治療法を考えてみることも一つの方法です。
当院ではこういった椎間板ヘルニアの症例に対して、幹細胞治療(再生医療)を実施しています。
幹細胞治療というと大掛かりで大変そうなイメージがありますが、実際は点滴により細胞を投与するだけで麻酔をかける必要はありません。
幹細胞治療は従来の治療薬とは異なる作用で、損傷した神経機能の回復を促します。
そのため通常の治療方法でのリスクが心配される、または今までの治療で十分な改善が見られないワンちゃんに対しても、神経機能や運動機能の回復が期待できます。
Q&A
椎間板ヘルニアの発症を予防する方法はどのようなものでしょうか?
過度な運動や段差を減らしてあげたり、太り気味の子はダイエットをすることで腰の負担を和らげてあげることが重要です。
内科管理で自宅でできることはありますか?
安静にして痛みが引くのを待ってあげることが重要になります。必要に応じて腰の負荷を和らげるためのコルセットの作成も行っております。
その子のために最善の治療方針をご提案させていただきます。
外科手術の値段はどのくらいでしょうか?
腰の椎間板ヘルニアの手術料金は167,000円~になります(麻酔代を含めます)。術後は入院して経過をみさせていただくため別途費用がかかります。
再生医療の値段はいくらでしょうか。
再生医療のための幹細胞投与は90,000円~になります。
症状によっては複数回投与が必要になることがあります。
愛甲石田どうぶつ病院では、椎間板ヘルニアの診断、内科治療、外科手術、術後のリハビリ療法、再生医療を実施しています。
椎間板ヘルニアと診断された、治療をしたけれども改善が乏しいなどお悩みの方はお気軽にご相談ください。