【皮膚病】外耳炎(1)
外耳炎ってどんな病気?
外耳炎とは、外耳(耳の入り口から鼓膜まで)に起きる炎症で、犬や猫では日常的にみられる病気のひとつです。
外耳炎には、症状が急激にひどくなるケースと、すこしずつ悪くなり、経過が長期に及ぶケースとがあります。前者を急性外耳炎、後者を慢性外耳炎と呼びます。
急性外耳炎の場合には、耳の内側と耳道が赤く腫れ、慢性外耳炎では、耳介が厚くなり、色素が沈着することで色が黒っぽくなり 、耳道が狭くなっていきます。
こんな症状があれば要注意
外耳炎になると、耳が痛くなったり、かゆくなったりするため、以下のような症状がみられます。
- 耳を地面などにこすりつける
- 耳をひっかく(ひっかき傷やかさぶたが残る場合があります)
- 頭を振る
- かゆみや痛みのある耳を下にして傾ける
- 悪臭がする耳だれ(耳漏)
- 耳の脱毛
- 音が聞こえにくい
- 耳血腫 (血液の貯留により耳介が膨れた状態)
外耳炎になるのはどうして?
外耳炎は、なんらかの基礎疾患により耳道の形が変化したり、もともとある耳道の自浄作用の働きが悪くなったりといった変化が起こり、 その結果として細菌やマラセチア(カビの一種)などの二次感染を引き起こすと考えられています。
外耳炎を引き起こす基礎疾患とそれによる二次的な問題には以下のようなものが存在します。
‐ 外耳炎を引き起こす基礎疾患
- 寄生虫:耳ダニ、ニキビダニ、マダニ
- 過敏症:アトピー、食物アレルギー、接触性皮膚炎
- 内分泌疾患:甲状腺機能低下症
- 異物
- 角化異常:原発性脂漏症、脂腺炎
- 自己免疫疾患:若年性蜂窩織炎
- 炎症性ポリープ(猫)
- 腫瘍
- 構造的な問題:重く垂れ下がっている耳、狭い耳道・耳道狭窄、耳道内の毛、腺組織の増加
‐外耳炎による二次的な問題
- 細菌感染
- マラセチア感染、
- 中耳炎
- 慢性的な病理学的変化(耳道狭窄など)
次回は外耳炎の診断、治療についてお話させていただきます。
愛甲石田動物病院では日本獣医皮膚科学会認定医が皮膚の診察をさせていただいております。詳しくはスタッフまでお気軽にご相談ください。