2022.03.18
脾臓腫瘤の症例
症状
今回ご紹介するのは14歳のトイプードルさんの症例です。飼い主様より、食欲不振を主訴にご来院されました。
触診をすると、お腹の中の大きな塊が触れましたため、超音波検査を実施したところ、脾臓と考えられましたが、塊が巨大であるため、確認を兼ねてCT撮影を行いました。
画像検査
CT検査とはCTとはどうぶつの身体の断面を撮影する装置です。
様々な角度からの画像を作り出すことができ、超音波検査では発見できなかった患部を見つけることが可能になります。また、造影剤を使った画像と造影剤を使わない同じ部分の画像と比較することで、より詳細な（たとえば腫瘍の範囲など）診断が可能になっています。
CT検査実施後、7×12×8㎝サイズの巨大な腫瘤を確認いたしました。また、発生臓器は脾臓で間違いないこと、血管造影撮影での写り具合や大きさから、悪性腫瘤の可能性は低いことが分かりました。
治療内容
後日、外科手術で摘出し、病理検査の結果、非腫瘍性の腫瘤である「結節性過形成」であると分かりました。
このトイプードルさんは、無事回復し、元気に退院されました！
本症例では、CT検査を行うことで、他臓器への転移が無いことや、外科手術前に腹腔内を確認することができたため、巨大な腫瘤をスムーズに取り出すことができました。
脾臓の腫瘤は、本症例のように巨大化したり、破裂するまでなかなか症状が現れません。
特に悪性腫瘍の場合は、肝臓などの他臓器に転移している可能性もあります。
早期発見のためにも、定期的な健診が大切です。当院ではどうぶつさんの定期健診であるDogドック・Catドックも行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
