柴田動物病院

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どうぶつの病気

Disease

2022.07.29

尿路結石症に対する外科手術症例

柴田動物病院(アニコムグループ)は、尿路結石症の症例に対して最新の医療器具を備え、その子にとって最高の診断及び治療法を提示させていただいております。

概要

尿路結石とは、尿に含まれるさまざまなミネラル成分が結晶化し腎臓、膀胱、尿道などで結石(尿石)となり、膀胱炎をはじめとして様々な症状を引き起こす病気です。

結石にはいろいろ種類がありますが、代表的なものはストラバイト(リン酸アンモマグネシウム)とシュウ酸カルシウムがあります。

この2種類で結石の8割以上を占めています。

原因

食事の影響で尿の中にマグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラル成分が増えたり、尿の酸性度(pH)のバランスが崩れたりすると結石ができやすくなります。

また、トイレを我慢したり水を飲む量が減ると尿が濃くなり、結石ができやすくなります。

肥満や運動不足も結石ができやすくなる原因の一つです。

ストラバイト結石の原因のひとつは細菌感染です。

菌が出す酵素によりアンモニアができ、これにより尿がアルカリ性に傾きストラバイトができやすくなります。

高カルシウム血症や門脈体循環シャントなど、他の疾患から二次的に結石ができてしまうこともあります。

症状

尿路結石症では膀胱炎を併発していることがほどんどで、膀胱炎に伴う症状が主になります。

その場合、トイレに行く回数が増える、血尿がでる、排尿時に痛がって鳴くなどの症状が見られます。

細菌感染が重度の膀胱炎の場合は尿から強い臭いがしたり、尿が濁ったりすることがあります。

さらに、膀胱にできた結石が尿道に詰まってしまうと尿がでない、出づらいなどの排尿障害がおこることがあります。

結石が詰まって尿が出ない(尿閉)状態が続くと尿毒症を引き起こし、命に関わります。

治療

内科療法によって結石を溶かす場合と外科療法により結石を摘出する治療があります。

どちらの場合も膀胱炎に対する内科治療を並行して行うことがあります。

  • 内科療法

結石が小さなストラバイトであった場合は食事療法により尿の酸性度を整えることで結石を溶かします。

ストラバイトは尿がアルカリ性でリンやマグネシウムが多いと発生しやすくなるため、食事療法で尿を酸性に近づけ、食事のリンやマグネシウムを制限します。

細菌感染を起こしている場合は抗生物質を服用します。

  • 外科療法

シュウ酸カルシウム結石は食事により溶かすことができないため外科手術で結石を取り除くことが必要です。

手術により結石を摘出した後、再発しないように食事療法を行います。

ストラバイト結石でも結石サイズが大きかったり、症状が強く出ている場合は手術が必要になることがあります。

Q&A

  • どのような検査をしますか。

尿路結石症が疑われる場合にはレントゲン検査や超音波検査、尿検査を行います。

結石が尿道に詰まってしまって全身状態が悪い場合や結石が内科療法で改善しない場合には血液検査を行うことがあります。

  • 内科療法で改善しない場合、なぜ手術が必要なのでしょうか。

結石が膀胱炎を引き起こした結果、腎盂腎炎になったり、結石が尿道に詰まったりすると急激に体調が悪化して命に関わることになりかねません。

そのため膀胱炎の症状が軽度であっても、結石が内科療法で改善しない場合は外科による摘出手術を提示させていただきます。

結石は摘出後、結石自体の成分を分析することもあり、その結果をもとに内科治療で再発を予防していくことになります。

  • どのような場合、手術が適応になりますか。

シュウ酸カルシウム結石の場合、食事により溶かすことができないので手術適応になります。

ストラバイト結石の場合でもサイズが大きかったり、症状が重度や長引く場合、尿道閉塞の危険性が高い場合も手術の適応となります。

特にオスの子はメスの子と比較して尿道が狭く、結石が詰まりやすくなるため手術が適応になる数は多いです。

その子の病態に合わせた治療法を提案させていただきます。

  • どのような手術をしますか。

膀胱に結石ができてしまった場合は膀胱を切開して結石を取りだす手術をします。

尿道に結石が詰まってしまった場合は膀胱の手術をするよりも先に、尿道内の結石をカテーテルなどで膀胱内へ押し戻してから膀胱切開を行います。

もし結石が尿道に詰まったままで動かない場合は尿道切開をします。

  • 手術費用はどのくらいでしょうか?

手術費用は80,000円~になります(麻酔代込み)。

術前検査や入院、投薬代など別途費用がかかります。

  • どのように予防したらよいでしょうか?

一度尿路結石症と診断されると、一時的に治っても再発を繰り返すことが多いため食事や水分摂取、適度な運動といった生活環境の見直しが必要です。

水をたくさん飲むことで尿が薄まり、排尿の回数も増えて結石ができにくくなりますので、お水の設置場所を増やして十分にお水を飲ませる工夫をしましょう。

また、なるべく膀胱に尿を貯めさせないためにトイレの設置場所を増やしたりお散歩回数を増やしたりしての排尿回数を増やすようにしましょう。

尿路結石用の療法食は、ミネラル分を調整して飲水量を増やしてくれる作用があります。

療法食には様々な種類がありますので食事管理でお困りの際は当院にご相談下さい。

当院での治療例

超音波画像検査で尿道および膀胱内に結石がみつかった男の子のワンちゃんに尿道切開と膀胱切開を行い、結石を摘出しました。

こちらが手術前のレントゲン画像になります。

赤丸の中が結石です。左が膀胱、右が見えづらいですが尿道内の結石になります。

手術後のレントゲン画像です。

手術後には結石がきれいに取りきれています。

実際の手術動画です。

尿道を切開して結石を摘出しています。

開腹して膀胱から結石を摘出しています。

摘出した結石です。

成分検査によりシュウ酸カルシウム結石ということがわかりました。

柴田動物病院では尿路結石症の内科治療、外科手術を実施しております。

尿路結石が心配なので画像検査で確認してほしい、などご心配事がありましたらお気軽にご相談ください。

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