わが子がケガや病気をしたとき、飼い主さまであれば「治してあげたい」「また元気な姿に戻ってほしい」という思いで、わが子を動物病院に連れていくことでしょう。
しかし病気によっては、これまでの薬や治療法では治らないものもあります。
そうした場合の治療法の選択肢として、動物の幹細胞を用いた「再生医療(細胞治療)」が注目されています。
対象疾患について
治療の効果については、その子の状態、病気の種類、投与方法などによって大きく異なりますが、以下の病気が治療の対象となります。
・慢性腸症(CE)
・膵炎
・肝炎
・免疫介在性血小板減少症
・免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
・非再生性免疫介在性貧血
・赤芽球癆
・再生不良性貧血
・椎間板ヘルニア
・非感染性髄膜脳脊髄炎
・乾性角結膜炎
・アトピー性皮膚炎
・関節炎
・糖尿病
・慢性腎臓病
・口内炎
「 再生医療(細胞治療)」 とは?
「再生医療(細胞治療)」 とは、化学的な成分の薬とは異なり、生きた細胞をそのまま体内に投与して、ケガや病気の治療を行うものです。現在、人の医療だけではなく、獣医療でも新しい治療法として世界中で研究され、実用化されつつあります。
従来の治療法では、効果がなくなってしまったり、副作用が強すぎて治療を継続できなくなったりすることがあります。
そのような場合に、身体が本来持つ修復機能や自己治癒力を利用する、従来の治療法とは考え方の異なる再生医療(細胞治療)なら、新たに治療の効果を期待したり、副作用をおさえて治療を継続したりできる可能性があるのです。
診療の流れ
予約・受付
通常の外来とは別に、完全予約制にて診療を受け付けています。
ご予約はお電話にて承っております。(0725-44-0209)
問診
ワンちゃん、ネコちゃんのこれまでの状態や検査結果、現在のお薬の内容などについて、飼い主様にお伺いし、細胞治療の内容やメリット・デメリット、費用についてご説明をいたします。
飼い主様と十分にご相談させていただいた上で、細胞治療がベストと判断された場合に治療開始となります。
細胞治療は最新の治療方法のため、飼い主様への細かな事前説明が特に大切と考えております。ご不安なことや、ご質問は何なりとご相談ください。
※標準治療を未実施の場合は、再生医療の前に標準治療を実施する場合がございます。
各種検査
細胞治療を行うにあたって問題がないことを確認するために、細胞治療の前後には各種検査(血液検査・X線検査など)を実施いたします。
治療
細胞治療は新しい治療法ですが、手術などに比べると体への負担が少なく、多くの場合、腕の血管(一般のどうぶつ病院で採血する血管)等へ、細胞の入ったお薬を点滴することで終了します。
この場合には、麻酔を使用することはありません。
処置にかかる時間は、細胞投与前後の検査を含めて、基本的に半日〜1日程度で終了します。
朝10時頃にご来院いただき、18時頃にお迎えいただくケースが多いです。
一方で、呼吸困難・急性のアレルギーなどのような副作用も存在しますので、当院では落ち着いた環境の中で投与前後の状態を複数のスタッフが観察しており、万が一のリスク発生の際には、迅速な対応ができるよう院内の設備を整えております。
再診
投与後の状態確認を行いますので、投与から1週間前後でご来院をお願いしております。
再診回数はどうぶつの状態により、飼い主様とご相談の上、決定いたします。
※遠方から通院の場合、投与後の再診回数はご相談の上、決定いたします。
当院の再生医療(細胞治療)で用いる細胞について
当院では、富⼠フイルムグループで蓄積された医薬品・再⽣医療 のノウハウを投⼊した品質保証体系※に基づいて作成された細胞を使用しています。
また、最新の測定機器を使⽤することで精度の⾼い検査・品質保証を担保しています。
※品質管理に関する各種⽂書を制定することで、「GMPの3原則」を保証しています。
⼈為的な誤りを最⼩限にする。
医薬品に対する汚染および品質低下を防⽌する。
⾼度な品質を保証するシステムを設計する。
お問合せ
対象疾患でお悩みの方や再生医療(細胞治療)をお考えの方はお気軽に当院までご連絡ください。