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(※臨時休診となる場合もあります)
予防医療
Prevention
ワクチンは、感染症の原因となるウイルスや細菌の毒性を弱めたり、また毒素を無くしたもので、これを注射することによりその病原体に対する免疫を作ります。ワクチン接種で予防できる病気には、感染すると重い症状を示したり、命に関わる恐ろしい病気もあります。ワクチンは万が一感染しても病気が発症しないように、また発症しても軽症で済むように体を守ってくれるものです。ワクチン接種はワンちゃん・ネコちゃんを守るだけでなく、他のどうぶつへの感染源となることを避ける意味もあります。
生まれたばかりの子犬や子猫は、母親の初乳を飲むことによって母親の持つ免疫を譲り受けます。これを移行抗体と呼んでいますが、この抗体は一生続くものではありません。移行抗体は、数週間から数ヶ月で消えてしまい、その時期は個体差があり、病気の種類によっても様々です。この移行抗体の効力が切れる時期が、病気に対する抵抗力が失われる大変危険な時期といえます。しかし、移行抗体が残っている時期にワクチンを接種しても、十分な免疫効果を得ることができません。そのため、より確実に免疫を作るために、初回接種の後1〜2回の追加接種を行います。注意していただきたいのは、ワクチンの接種によって作られる免疫は一生続くわけではないということです。このため、毎年1回継続して接種する必要があります。
ワクチン接種後、一過性の発熱や元気消失などの症状を示すことがありますが、たいていは1日位でおさまります。また、顔が腫れるなど軽いアレルギー症状が出ることもあります。ほとんどないことですが、命に関わるような重いアレルギー症状が出る可能性も考えられます。ワクチン接種を安全に行うために、接種前に身体検査と問診による健康診断を行いますのでご協力下さい。体調に問題があれば注射は受けられません。ワクチン接種後は、なるべく安静に努めていただき、シャンプーは2〜3日は控えて下さい。上記の副作用が見られたり、何か異変を感じましたら、すぐに当院へご連絡ください。
どうぶつ病院によって扱っている混合ワクチンの種類が異なりますが、多く使用されているのは5種混合〜9種混合ワクチンで、いずれも1本の注射で済みます。当院では5種混合または7種混合ワクチンを接種できます。
病気 | 5種混合 | 7種混合 |
---|---|---|
犬ジステンバー | 〇 | 〇 |
犬伝染性肝炎 | 〇 | 〇 |
犬アデノウイルス2型感染症 | 〇 | 〇 |
犬パラインフルエンザ | 〇 | 〇 |
犬パルボウイルス感染症 | 〇 | 〇 |
犬コロナウイルス感染症 | ー | 〇 |
犬レプトスピラ症 | ー | 〇 |
どのワクチンを接種したらいいの?:
基本的には室内飼育で道路を散歩する犬であれば5種混合ワクチンで十分と考えます。 しかし、畑や田んぼなどのあぜ道散歩や、川や山などのアウトドアで遊ばせる機会が多い犬には7種混合ワクチンを考えてあげましょう。
当院では3種混合、5種混合、猫エイズワクチンを接種できます。
病気 | 3種 混合 |
4種 混合 |
猫 エイズ |
---|---|---|---|
猫ウイルス性鼻気管炎 | 〇 | 〇 | ー |
猫カリシウイルス感染症 | 〇 | 〇 | ー |
猫汎白血球減少症 | 〇 | 〇 | ー |
猫白血病ウイルス感染症 | ー | 〇 | ー |
猫免疫不全ウイルス感染症 (猫エイズ) |
ー | ー | 〇 |
どのワクチンを接種したらいいの?:
室内飼い猫の場合は3種混合ワクチンで大丈夫ですが、以下のような場合、4種混合ワクチン+猫エイズワクチンを検討した方が良いでしょう。
・外に出る猫
・外から他の猫が入ってくる場合
・ベランダや網戸越しに外猫と接触する可能性がある場合
・感染猫が一緒にいる場合など
3ヶ月齢以上の犬では、狂犬病の予防接種が法律(狂犬病予防法)で義務づけられています。同時に、犬を飼育していることを市役所(保健センター)に届け出て登録する必要があります。予防接種は毎年1回、登録は一度すれば生涯有効です。
狂犬病は犬だけではなく、人を含め哺乳類全般に感染します。発病すると治療法はなく、命に関わる非常に恐ろしい病気です。
1957年以降、日本国内では狂犬病の発生はありませんが、世界でも狂犬病が根絶されているのは、オーストラリア、イギリス、ハワイなど、一部の国や地域に限られており、アジア(中国や韓国も含め)、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど多くの地域や国々で現在も狂犬病が発生しています。これらの地域では、犬や家畜だけではなく、多くの野生動物にも狂犬病の感染がみられ、世界保健機構(WHO)によると感染動物に咬まれた人のうち、およそ年間3万〜5万人もの人が命を落としていると報告されています。
万一、日本国内で狂犬病が再上陸した場合、犬が人へ狂犬病をうつす感染源となる可能性が一番高いと考えられます。そのため、できるだけ多くの犬が狂犬病の予防接種を受けておくことで狂犬病が日本に侵入したときにも人間への影響を未然に防ぐ手立てとなりますし愛犬だけでなく、私たちの暮らしを守ることにもなります。
みなさんも愛犬には必ず狂犬病の予防接種を受けさせて下さい。
犬の登録は保健センターに行っていただくか、春に公園等で行われる集合注射の会場でもできます。狂犬病の予防注射は、当院でも接種できます。
フィラリア(犬糸状虫)は長いものでは体長30cm近くにもなる乳白色の細いそうめん様の虫体です。蚊の吸血によって感染し、主としてイヌ科動物、他にアザラシ科・クマ科・アライグマ科・ネコ科などの心臓(右心室)と肺動脈に寄生します。(フィラリアの寿命は5〜6年)フィラリアに感染し、そのまま放置すると、犬が命に関わる恐ろしい病気です。しかし、きちんと予防をすれば100%防ぐことができます。
フィラリアは蚊を介して犬から犬に感染する一種の伝染病です。感染している犬からまだ感染していない犬へ蚊がフィラリアを運びます。(蚊は15℃以上で吸血活動を始めます)私たちが家にいて蚊に刺されるように、室内飼いだからといって安心はできません。
すでに感染している犬の体内ではフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が血液の流れにのって体中を漂っています。
蚊は吸血すると同時に血液中に含まれる子虫を体中に取り込みます。
子虫は蚊の体内で他の犬に感染できるまで成長します(体長1mm)。
成長した子虫は蚊の血を吸うための針の部分に集まり、蚊が犬を刺すのを待っています。蚊の吸血時に子虫は犬の皮膚の上に落下し、刺した穴から犬の体内へ入り込みます。
子虫は皮膚の下、脂肪・筋肉の間で約2カ月間とどまり、成長を続けます。(この期間の子虫を予防薬で駆虫します。)
感染して3〜4カ月で体長3〜11cmに成長し血管へ移動し、血流にのって心臓へたどり着きます。ここで子虫を産めるまでに成長します。
・食欲がなく、体重が減る
・咳をする
・散歩などの運動を嫌がる
・腹部がふくれている
・尿が赤みを帯びている
成虫の場合、心臓に寄生するため、血液の循環が悪くなって多臓器がうっ血状態となり、肺・肝臓・腎臓に障害がでます。心臓のポンプとしての働きを障害し、心不全を起こします。咳・疲れやすい・痩せてくるなどの慢性症状から、進行すると心不全・肝不全・腎不全を起こし、腹水が貯まるなどして死亡します。急性症状としては、突然食欲がなくなる・呼吸困難・血色素尿などで、緊急手術をしなければ死亡することが多いです。
子虫の場合、体の中を動き回るので、臓器や組織を痛めてしまいます。
まず、血液検査で感染の有無を調べます。(採血後、10分程度で結果がでます。当院では、フィラリアの検査と同時 に健康チェックも兼ねた血液検査を行っております。)フィラリアに感染してしまっているのに予防薬を飲ませると、死んだ子虫が血管につまって突然ショック死を起こしてしまうことがあります。これを防ぐために、感染の有無を調べてから薬を飲ませます。
毎月1回、予防薬を飲ませます。予防薬と呼んでいますが、実際には薬を飲ませることによって、感染したフィラリアの子虫を駆虫しています。効率良く予防するために、血液へ入る前に皮膚下組織で成長している子虫を1ヶ月貯めておき、薬で一気に駆除してしまいます。(死んだ虫体は体の細胞が吸収し処理してくれます。)万一、フィラリアに感染していても、今以上に数を増やさないために毎月1回の投薬が必要です。
薬には錠剤タイプとチュアブルタイプがあります。錠剤が難しい方には、ジャーキーの様なおやつ感覚で与えられるチュアブルタイプが簡単です。これらの薬はフィラリアと同時に消化管内寄生虫(回虫、鉤虫など)も駆虫します。錠剤にはさらにノミの繁殖を抑える成分の入ったタイプ(注:卵・幼虫の成長を阻害します。成虫には無効です)もあります。
毎月1回、皮膚にスポット液剤を滴下します。このスポット剤はフィラリアと同時にノミ(成虫・幼虫・卵)、ミミヒゼンダニの駆除もできます。首〜肩甲骨あたりの毛をかき分け、皮膚にピペットを押しつけ、液剤を滴下します。有効成分が素早く吸収され、血液中に入って体全体に作用します。投与後2時間経てば水に濡れても薬効に影響はありません。
※詳しくはスタッフまでご相談下さい。毎年忘れず、しっかり予防を続けましょう。
蚊によって感染しますので、蚊が出始めて1ヶ月後(4〜5月)から蚊がいなくなった1ヶ月後(11〜12月)まで投薬が必要です。投薬を忘れたり、途中で止めてしまっては、それまでの投薬が無駄になってしまいます。特に最終月までしっかり予防することが大切です。投薬後に残っていた蚊に刺され、フィラリアに感染してしまう危険性があるためです。
ノミやダニは深刻な問題をもたらす外部寄生虫で、適切な対策が必要です。愛犬や愛猫がノミやダニにたくさん寄生されて、重大な被害を受けてしまわないように、早めの対策を心がけましょう。一時的な駆除だけでなく定期的に継続し、できれば年間を通した対策をお勧めします。
ノミはペットの血を吸い、刺激を与え、またノミアレルギー性皮膚炎や条虫の媒介など、健康上重大な問題を引き起こすこともあります。ノミは、家の中に入り込み、卵や幼虫の状態で、畳の隙間やカーペット、家具の陰などで繁殖を繰り返します。暖房の行き届いた近年の住環境ではノミは冬でも寄生と繁殖を繰り返します。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの吸血により、その唾液成分が体内に入ることで、アレルギー反応が起こり、激しいかゆみや湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎を示すようになります。一度この状態になると、その後はわずかなノミの寄生でも皮膚炎に悩まされます。
瓜実条虫(サナダムシ)
体長50cm以上になることもあるサナダムシ。ノミの幼虫が条虫の卵を食べ、その体内で発育します。成虫になったノミを犬や猫がグルーミングなどで食べてしまうことにより小腸に寄生し、下痢や嘔吐の原因に。瓜の実に似た片節が糞便や肛門の周辺に付着します。
猫ヘモバルトネラ症
マイコプラズマ・ヘモフェリスという病原体は、ノミを介して猫に感染すると言われています。
この病気になった猫は血液中の赤血球が破壊され、ひどい貧血となり、症状が悪化すれば死に至ることもあります。
マダニは様々な病気を媒介します。特にバベシア症は犬を死に至らしめる重篤な病気です。
犬バベシア症
バベシア原虫が赤血球に寄生、破壊することによる貧血、発熱、食欲不振や黄疸などが見られ、死に至ることもある恐ろしい病気です。治療を行ってもバベシア原虫が体内から消失することはありません。
ライム病
マダニからペットや人にも感染。
犬では主に神経症状、発熱、食欲不振などの症状が、人では、感染初期に遊走性紅斑、その後皮膚症状、神経症状、関節炎などの症状が見られるようになります。
・月1回ノミ・ダニ駆除剤を使う
・ペットの布団・マットは掃除をし、天気の良い日は天日干しする
・ブラッシング等でノミ・ダニがいないかチェックする
・ダニが多い草むらなどにはできるだけ入らない
ノミ・ダニの駆除・予防薬にはスポットタイプ(首の後ろに滴下するタイプ)、スプレータイプ、内服薬、様々なタイプものがあります。
飼い始めて間もない子犬や子猫たちも、成長に伴いすぐに性成熟(一般的には8〜10ヶ月齢)が訪れます。
そのため、ワクチン接種やしつけなどと平行して、将来的に男の子なら去勢手術、女の子なら避妊手術を受けさせるかどうか、決めておく必要があります。
「病気でもないのに不自然な手術ではないのか」「自然なままが良い」「かわいそう」「全身麻酔が心配」「手術した後に肥満にならないのか」ということがよく言われます。
しかしよく考えてみると、もともと人間が飼育しているそのものが自然なことではなく、食事、排泄、行動範囲の制限、しつけなどはすべて人間がコントロールしています。人間との関係を良好に保つためや起こりやすい病気を予防するために、手術をすることは必ずしもかわいそうなことではありません。また、現在の麻酔はとても安全性は高く、危険性は低いものです。
去勢手術・避妊手術のメリットは下にまとめています。去勢・避妊は望まぬ子犬・子猫を増やさないという目的以外に、病気の予防や行動・性格面でプラスとなる効果もあります。手術の時期は、ケースバイケースですが、一般的には6ヶ月齢前後が最善だと思われます。
犬(男の子)
・前立腺の病気や精巣・肛門周囲の腫瘍、会陰ヘルニアの予防になる
・攻撃性の低下、性格が穏やかになる
・尿マーキングが減る
犬(女の子)
・望まない妊娠を防ぐことができる
・乳腺腫瘍や子宮・卵巣の病気(子宮蓄膿症、卵巣腫瘍など)の予防になる
・発情の煩わしさが解消される(発情出血、雄犬が近寄ってこなくなるなど)
猫(男の子)
・攻撃性の低下、性格が穏やかになる
・尿マーキングが減る(部屋のあちこちの、壁など垂直なものに尿を吹きつける行為をスプレーと呼んでいますが80〜90%の雄猫に対して防止する)
猫(女の子)
・望まない妊娠を防ぐことができる
・乳腺腫瘍や子宮・卵巣の病気(子宮蓄膿症、卵巣腫瘍など)の予防になる
・発情時の煩わしさが解消される(発情時の異常な鳴き声が無くなるなど)
「去勢手術や避妊手術をした後に肥満になる」とよく言われますが、手術を受けていても太らない子もいますし、手術を受けていなくても肥満の子もいます。実際、手術と肥満との因果関係は科学的には証明されていません。おそらく、ホルモンの影響によるストレスから解放されるため、食欲が増すことが肥満になる原因と思われます。
いずれにしても、これらの問題はしっかりとした食事管理をすることでコントロールできます。
当院では、「人間ドック」ならぬ「ペットドック(犬猫の定期健康診断)」を行っております。
ペットドックでは、今健康であるということを確認したり、万が一病気が発見された場合でも、早期に治療することができます。
中年期以降になるとどうしても病気は多くなってきます。
健康で快適な生活を送るためにも、定期的に健康診断を受けていただくことをお勧めします。
コース1 | コース2 | コース3 |
---|---|---|
身体検査・血液検査 |
身体検査・検便・血液検査 尿検査・腹部超音波検査 |
身体検査・検便・血液検査 尿検査・腹部超音波検査 心電図・胸腹部レントゲン |
7,150円(税込) | 12,650円(税込) | 18,150円(税込) |
※コース2、3については15kg以上のわんちゃんは追加料金が 発生します。
※コース2、3は予約が必要です。半日お預かりとなります。
※コース2、3の当日の朝はごはんを抜いてください。