子宮蓄膿症
子宮蓄膿症とは
子宮蓄膿症は、子宮内に細菌感染が起こることで膿が溜まる病気です。
子宮内部の子宮粘膜に細菌感染(大腸菌など膣の常在菌)が起こることが原因となります。
通常は子宮内へ細菌が侵入しても、正常な粘膜の免疫により感染は簡単には起こりません。しかし、発情後期などでエストラジオールやプロゲステロンなど女性ホルモンの影響を受けて子宮粘膜が増殖して厚くなると感染が起こりやすくなります。このため、避妊手術を受けていない中高齢以上の発症が多いです。
細菌の感染により
- 発熱
- 食欲不振
- 元気消失
- 多飲多尿
- 腹部膨満
といった症状がみられます。感染が長引くと敗血症になったり、細菌が持っている内毒素がエンドトキシンショックを引き起こし重篤な状態に陥ることがあります。
加齢とともに繰り返される発情によって、子宮蓄膿症が発生する危険性が増加するといわれており、予防のために若いうちの避妊手術をおすすめしています。
当院での症例
犬 トイプードル 18歳
食欲がなく、沈鬱な(元気がなく、落ち込んだ)様子だということで来院されました。
身体検査では、腹囲膨満が認められ、血液検査やレントゲン検査、エコー検査の結果から、子宮蓄膿症と診断し、翌日、子宮と卵巣を摘出する手術を行いました。