胆泥症
胆泥症とは?
脂肪を消化するはたらきを持つ胆汁は肝臓で生成され、胆嚢に一時貯蔵されます。胆泥症とは、何らかの原因で胆汁が濃縮して変質し泥状になったもの(胆泥)が胆嚢に貯留した状態です。
胆汁の成分が変質して結石状になったものを胆石といいますが、ワンちゃんでは胆石症の発生は比較的まれで、胆泥症の方が多く見られます。
胆泥症は、胆嚢炎や内分泌疾患(甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症)に伴って見られることが多いようです。
胆嚢炎は細菌感染や、腸炎・膵炎・肝炎・胆管炎などから併発して起こりますが、胆嚢炎が起こると胆汁の性状が変化するために胆石や胆泥ができやすくなります。
胆泥症だけでは特に症状を示さず、二次的な肝障害が起こっている場合は、食欲不振や嘔吐、発熱、腹痛などの症状が現れます。
当院での症例
犬 トイプードル 13歳
健康診断として行った腹部エコー検査で、胆泥症を疑う所見が確認されました。特に症状はみられませんでしたが、ひどくなると発熱や嘔吐の可能性もあるため、内服薬による治療を開始しました。
その後も定期的に血液検査や、エコー検査を行い、経過観察を行ったところ、胆泥は減少傾向にあります。