獣医師が解説 犬のIBD(炎症性腸疾患)

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免疫介在性多発性関節炎について

免疫介在性多発性関節炎とは

免疫介在性多発性関節炎とは、免疫の異常により、自分で自分の関節を攻撃してしまうことで起こる自己免疫疾患です。
レントゲンで骨が溶けたようにみえる「びらん性」の関節炎と、そのような変化がみられない「非びらん性」の関節炎があります。
びらん性の関節炎は、主に関節リウマチと呼ばれます。
非びらん性の関節炎は、特発性多発性関節炎、反応性多発性関節炎、全身性エリテマトーデス、多発性関節炎・筋炎症候群、リンパ球形質細胞性関節炎、犬種特異的多発性関節炎などがあります。

免疫介在性多発性関節炎の原因

発症の原因ははっきりと分かっていません。
完治の難しい病気で、関節の痛みを伴いながら少しずつ確実に進行していきます。
特にびらん性の関節炎(関節リウマチ)は最終的には関節が溶け、足に強い苦痛を伴う症状が出ます。重症化する前の早期発見と、関節の状態が少しでも良い内に治療に入ることが重要です。

免疫介在性多発性関節炎の症状

主な症状は関節の腫れや熱感、痛みで足を引きずっているなどの関節にみられる症状です。その他に、発熱、食欲不振や元気喪失、リンパ節の腫れなど全身性の症状もみられます。
関節が溶けて亜脱臼すると、ベタ足(通常地面に着かないはずの手首やかかとが地面に着いた状態)になります。関節炎に伴い関節液が増加した場合、関節の曲げ伸ばしを嫌がったり、曲がる範囲が狭くなったりします。

免疫介在性多発性関節炎の治療

炎症の緩和、免疫バランスの調整を目的として副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤を使用します。
非びらん性の関節炎(大半が特発性多発性関節炎)はこの治療に反応が良く、長期間痛みのコントロールができる場合が多いですが、びらん性の関節炎(関節リウマチ)の場合、改善はあるものの、数年かけて症状が徐々に進行する場合が多いです。

また、当院では従来の治療法に加え、間葉系幹細胞治療という最新の方法で免疫介在性多発性関節炎に対する治療を行っています。
間葉系幹細胞のもつ抗炎症・免疫調整作用を利用することで、関節の免疫バランスを整え、炎症を鎮め、従来の治療薬の減薬や休薬につなげる効果が期待されています。

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